台風17号の気象庁とアメリカとヨーロッパ予報の進路予想の考察

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 2019年9月19日の午後3時に台風第17号が発生したと気象庁が発表、
アメリカ合同台風警報センターと、ヨーロッパ中期予報センターが公開している
進路予想図が、どのていど的中したかを本稿で考察していく所存。

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【 引用ここまで↑出典:国土交通省/気象庁 】

台風17号ターファー[ tapah ]の最終的な消滅地点は日本海の新潟県沖だが、
フィリピン海から東シナ海へ移動し、日本海を北上して9月23日の午前9時に
温帯低気圧に変わる迄の進路予想図と実際の経路の違いを辿るのが真の狙い

アメリカJTWC合同台風警報センターとヨーロッパ中期予報センターの進路予想図が本当に的中したのかを考察する。

台風17号アメリカJTWCが公開している進路予想図

 まずは、アメリカ合同台風警報センター( Joint Typhoon Warning Center )が
公開している台風17号( TSトロピカル・ストーム18W )の進路予想図から。

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【 引用ここまで↑出典:Official U.S.Navy Website Naval Meteorology and Oceanography Command 】

最終警告で、9月21日の午前9時に沖縄県に最も近づき、最大風速は秒速25.7m/sメートル毎秒なので強くはない。

翌22日の午前9時には九州地方の北部に接近するが、台風の勢力も
じゃっかん増すものの28.27m/sと気象庁の強い階級である33m/sには届かなかった。

その後、東シナ海から日本海に抜けて行き、衰退しながら24日の午前6時に北海道地方に
上陸する見通しだったが、実際には23日に新潟県沖の日本海で温帯低気圧となり消滅した。

アメリカがテキストデータで公開している最終の警告文では、9月23日の午前3時( JSTに修正 )時点の存在位置が北緯35.4°N、東経が131.5°Eとなる。

新潟県佐渡市沢崎の南端、沢崎鼻灯台から 655.97km( 407.60マイル )南南西の日本海の海上にあり、中国地方の北側に位置する。

移動( MOVING )の方角は50°なので、ほぼ北東に向かっている事になり
このあと、気象庁が午後3時に温帯低気圧となり、消滅する地点へと向かう。

移動速度は24KNOT( ノット )なので、時速44.4キロとロードバイク並の速さだ。

米軍合同台風警報センターは、日本の気象庁よりも台風の進路予想図を出すタイミングが早い!

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アメリカJTWCは、北海道地方に上陸する最終警告だったけど、そこまで来なかったね。

ヨーロッパECMWF予報は10日先までの進路予想図

 ヨーロッパ中期予報センターECMWF( European Centre for Medium-Range
Weather Forecasts )の公式サイトで公開している台風17号が温帯低気圧に変わり、
消滅する9月23日の進路予想図で座標は北緯が37.76°N、東経が135.84°Eだった。

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【 引用ここまで↑出典:European Centre for Medium-Range Weather Forecast 】

9月23日の水曜日の午前9時( UTCからJST換算 )には新潟県佐渡ヶ島の西端から
207.82km( 129.13マイル )西の日本海の海上にある予報になる。

翌24日の木曜日の午後9時( 日本標準時 )には、アメリカと同様に日本海を北上して東北地方へ差し掛かる進路予想図だったが、こちらも東北地方に行く前に温帯低気圧となり消滅したので先読みは外れている。

25日の金曜日には太平洋へ抜けて減衰しながら離れていくが、細かい日時は違えどアメリカJTWCの進路予想図と大体、同じ経路を辿っていたが途中で消滅した。

精度が高いと言われているヨーロッパ中期予報センターは気象庁や米軍JTWCに比べて、
予報期間が10日先までと長いが進路予想図の更新が頻繁に行われる特徴がある。

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ヨーロッパ中期予報センターの進路予想図も東北地方へ差し掛かる経路図だったけど、そこまで来なかったわね。

日本の気象庁JMAは熱帯低気圧が発生してから発信

 19日の3時に台風17号の発生を発表した気象庁の予報の内容で、九州地方の北部に最も近づく22日の午後3時の予報は以下の通り。

温帯低気圧 令和元年09月23日09時50分発表 」より引用↓

23日09時の実況 大きさ – 強さ – 温帯低気圧
存在地域 能登沖
中心位置 北緯 38度00分( 38.0度 )東経 135度00分( 135.0度 )
進行方向、速さ 北東 65km/h( 35kt )中心気圧 992hPa

【 引用ここまで↑出典:国土交通省/気象庁 】
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気象庁公式ホームページ「 台風経路図/台風第17号 」[ https://www.jma.go.jp/jp/typh/1917.html ]を、
台風の進路予想と最新情報のブログ運営者が加工して作成。

9月23日午前9時現在の台風17号の存在場所は、38度00分( 38.0度 )東経 135度00分( 135.0度 )だ。

北海道の南端、松前郡松前町字白神の白神岬から583.42キロ( 362.52マイル )南西の日本海の海上で、温帯低気圧に変わり消滅する位置となる。

本稿に載せた気象庁の進路予想図は最終段階の予報だが、9月20日時点の経路図では24日の午前3時には北海道地方に上陸するルートを描いていた。

気象庁JMAは基本的に熱帯低気圧が発生してから始めて予報を出すので、タイミングとしては米軍JTWCや、ヨーロッパECMWFに比べて気象情報の公開が一番、遅い。

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気象庁も、さきゆき予報円が北海道に上陸の経路を描いていたのね。

動く進路予想図のウィンディで台風17号を確認

 台風17号の進路予想図が動く画像で確認できるツールが「 Windy 」だ。

リンク先のWEBページの左下の再生ボタンをタップか、クリックでアニメーション画像で台風17号の進路予想図が見れる。

さらに再生ボタンの横に伸びているスライダーバーで日時を変更できるが、最長10日間だ。

ヨーロッパ中期予報センターの気象データを元に生成するECMWFモードのウィンディの長所は、
常に自動更新されるので台風の経路が変わった時に大変、便利だ。

9月23日には北海道地方と青森県との間の津軽海峡を抜けて太平洋側に抜けていく進路予想図を描いていた。

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ウィンディの画像はヨーロッパ予報の気象データをベースに生成しているから、ECMWFと似通った進路予想図になるのはとても理に、かなっておるわい。

台風17号ターファーの進路予想図と実際の結果を比較

 台風17号ターファーの進路予想図をまとめると、アメリカJTWCもヨーロッパ中期予報センターも日本の気象庁も大まかには同じだった。

経路は沖縄県の脇から南シナ海の九州地方の北部に最接近して日本海を減衰しながら北上して東北地方、北海道地方に上陸して横断後、太平洋側に抜けていく。

ズレているのは日時で各気象機関ごとに、じゃっかん前後するが、9月23日の午前9時には温帯低気圧に変わった

つまり、アメリカJTWCも、ヨーロッパ予報も日本の気象庁も、東北ないし北海道地方への上陸までの進路予想図を描いていたが、実際には手前の日本海の会場で減衰して温帯低気圧となり消滅した結果となった。

19日の時点で台風17号は、いずれも強い勢力には成長しない予報になっていたが、最接近した22日には九州地方で倒木などの被害による影響で、15万戸あまりが停電に見舞われたが、その後は23日までには、およそ3分の2近くが復旧した。

電力 停電戸数( 合計 ):約68,730戸
九州電力 約57,110戸
四国電力 約1,300戸
中国電力 約9,900戸
関西電力 約430戸
北陸電力 10戸未満

【 引用ここまで↑出典:経済産業省 】

台風15号で起きた千葉県ほどの目立った甚大な被害はでなかったが、それなりの規模の自然災害となってしまった。

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ちなみに台風17号ターファー[ tapah ]の名前の由来は「 なまず 」であり、命名国はマレーシアで国際機関の台風委員会に50番目に登録されている。

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つまり、日本の気象庁JMAもアメリカJTWCもヨーロッパ予報ECMWFも、日本列島の東北地方ないし北海道地方にまでは来る進路予想図を公開してたんだけど実際には、その手前の日本海の海上で減衰して温帯低気圧となり消滅した結果に、なったって結論だね。

台風17号2019年の米軍JTWCとヨーロッパ予報の進路予想図
令和元年の台風17号ターファーの進路予想図をアメリカ海軍のJTWCが公開しているが、9月24日の午前3時には弱い勢力に減衰しながらも北海道地方に上陸する。ヨーロッパ中期予報センターの進路予想図では、発達した台風17号が9月23日に九州地方北部に最も接近する見通しだ。

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